年齢で判断するという社会の損

灘高の異才「僕らに響く家電、60歳社長にはムリ」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASHD2702N_X20C13A6962M00/
という記事を読んで、社会の多くの人が年齢で人を判断していて、
すごくもったいなと思ったので、その点についてまとめる。

ちょうど今

という本を読んでいる。

この本は、人類の歴史のほとんどを占める、国の無い時代の歴史や、
現在も石器時代と同様の生活をしている、
アマゾンやアフリカやニューギニアなどの部族の生活を通して、
現代社会の問題を考察するという本で、
「高齢者への対応」という章がある。

さて、元の記事の内容の「60歳社長にはムリ」という部分に、まずは反応した。
明らかに年齢ですべての人々を判断している。間違っている。

傾向として、若い人のほうが自由な発想ができる、
体力がある、頭の回転が早い、というのはあるだろう。

だが、それは「平均的」という話だ。

元記事のブクコメにもあるが、
例えば、ソニーウォークマンが発売されたとき、
発案者の一人、盛田 昭夫氏の年齢は60歳手前ぐらいだったし、
例えば、先日、三浦雄一郎氏は80歳でエベレストに登った。

ほとんどの若い人はエベレストに登頂できないのではないだろうか。
また、三浦雄一郎さんは目立つが、80歳でマラソン完走できる人は沢山いると推察される。
ほとんどの若い人はマラソン完走できないのではないだろうか。

大事なのは、その人がもってる能力を適材適所に配置することだ。
年齢ではない。

だが、そういう理想的な社会が実現するとすると、若者のほうが損をする。

25歳と45歳の人の履歴書を送ったところ、
年齢が見える状態だと25歳の人が採用され、
年齢が見えない状態だと45歳の人が採用されるという実験について読んだことがある。

当たり前だが、年齢を重ねている人のほうが、
ビジネスにたいして発揮できる経験、能力を持っている。

このような問題にたいしてはどのように対処すべきか。
それは政治の領分だ。
つまり、若者への職業訓練の拡充や、税の再分配、セーフティネットの構築などだ。



さて、余談だが、家電が日本で売れないのは、
日本では家電がコモディティ化(普遍化)したからだろう。
もうみんな家電持っているし、家電は壊れるか、まぁ、10年ごとぐらいにか買い換えない。

日本の家電業界は、海外で戦うしかないと思うよ。


さて余談の余談。
ジャレド・ダイアモンドの著作は全部面白いのでオススメ。
最近だと、

はさくっと読めて良かった。
色んな分野の天才へのインタビュー記事。
自分も天才に近づけた気分になれたよw

追記:
老害という言葉がある。
老害な人は確かにいるのだろう。

だが、若いころ(とはいえ私もまだ若輩者だが)に老害に思ってた人も、
今考えると、私の目線が低い、経験が少ないために老害に思ってたように思う。
ほとんどの人はそうだ。

老害老害言ってる前に、自分が老害になってないかチェックしたほうがまだマシだ。
というわけで老害チェッカー
http://rougai.mesolabs.com/

”@yamashiroさん、あなたは老害です。自覚しましょう。”
というオチでしたとさ。ちゃんちゃん。